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ICカードが傷つくだろ!

電車のコトを中心につらつらと。

近況+SS

冬コミの原稿もないので、最近はだらだら過ごしてます。とりあえず借りっぱなしのゲームを消化するところから……。
そして、そろそろ次の本に向けて話を考えないと、と思ってます。まずは資料収集からですね…頑張ろう。そろそろシャキッとしないと!

あ、あと先日の都営フェスタのレポートをUPしました!よろしければどうぞ。そこまで内容が濃いレポートじゃないですけど…。2100形とAE100形のツーショットに悶えました。あと北総の中の人のフリーダムっぷりとか…。

あまり書くことがないのもちょっとさみしいので、SSを隠して載せておきます。
カップリングありなので注意。北総線→新京成線の超絶片思いです。
「新京成線!」
名前を呼ばれて振り向いた。
そこには真っ赤な顔をした後輩が、何かを握りしめて仁王立ちしている。着ているスーツもよれよれで、いつも服装には気を配っている後輩らしくなかった。
少し驚いて「北総線、…どうしたの?」と声をかけると、北総線は荒い息を落ち着けて、近づいてくる。
「これを」
真っ赤な顔をしてぎゅっと握りしめていた手を新京成線に向け、ゆっくりと開く。
何だろう、と彼の掌を覗けば、そこにはよく子供が身につけているおもちゃの指輪。真ん中の球体はルビーを模しているのだろうか、赤いプラスチックが鈍い光を放っている。
「……?」
視線を指輪から北総線に移せば、彼は先ほどよりももっと真っ赤な顔をして、何かを言いたそうにしている。
ああ、と新京成線は悟った。
これは、北総線からのプロポーズのつもりなのだと。彼にはまだ本物を買う余裕などないから、せめて、左手の薬指を自分のものにしたい、そう思ったのだろう。新京成線はひょいと北総線から指輪を拾い、ちらっちらっと空にかざす。
「大人の女性にプレゼントするには少し幼い感じがするわね。プロポーズするのであれば、もう少し背伸びしてみることね」
ニコッと笑って、再び北総線の掌に指輪を戻した。少しいじわるだっただろうか。
でも、そうでもしないと。
すっと北総線に視線を戻すと、先ほどの顔をは打って変わって、何かを決心したかのような真剣な目つきだったものだから、心の底から驚いてしまった。先ほどの言葉は自分の予想以上に彼の自尊心を傷つけてしまったのだろうか。少し不安そうな顔をしていると、北総線が真一文字に閉じていた口を開いた。
「わかりました。ボクが立派になるまで待っててください。立派になったら、もっとステキな指輪をプレゼントしますから」
そう言って、北総線は踵を返し、帰って行った。
「あ、うん…」としか言えず、新京成線は北総線の後ろ姿をぼーっと見つめていた。
しばらくして、新京成線はそっと自身の左手に視線を落とす。
このボロボロで飾りっ気のない手にキレイな指輪など似合うのだろうか。彼の気持ちを受け入れるつもりはないけれど、それでも彼がそれを目標に頑張ってくれるのなら、そのまま言わずにおいてもいいかもしれない。少し不純な動機でも、走り始めて間もない後輩が前を向いて走ってくれればそれでいい。


***今から30年くらい前、北総線が走り始めたころのお話。あれから30年経ったのにまだ立派な指輪を持ってプロポーズしに行けてない。かわいそうな北総線。





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