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ICカードが傷つくだろ!

電車のコトを中心につらつらと。

毎日寒いですね




鉄●DASHのテロップで「小室」と出てきただけで過剰に反応してしまうくらい重症ですが、私は元気です。そして北総線が好きです。
足の組み方の部分とかに若干の違和感を覚えつつ頑張って直したんですが…それでも違和感は消えず。なので、目をつぶってみていただければ幸いです。

…という書き置きだけというのもなんなので、TwitterにUPした小話でも載せておきます。小話は記事下部の「SS:君との思い出01」というリンクからどうぞ。北総線と北千葉線の話です。
実はこういう1970年代の事象を絡めた小話を詰めた薄い本を出したいと思っています。それが夏コミで形になればいいのですが…。その前に受かるかな?いや、その前に申し込め。



いつもの部屋に入るといつも自分より遅く出社するはずの同僚が本を読んでいた。が、よくよく見るとそれは文学書などではなくコミック雑誌だった。
「北千葉線、おはようございます。何読んでるの?」
「おはようございます、北総線。これですか?」
北千葉線は顔を上げ、持っていた雑誌の背表紙をボクに見せる。背表紙には少年チャンピオンと書かれていた。少年チャンピオンは、確か秋田書店が発行している少年マンガ雑誌だ。
「北千葉線もマンガ、読むんだねぇ」
意外性を込めた言い方をすると、北千葉線は顔色を変えず今度は表紙をボクに見せてきた。
「ここに載っているマンガ全部じゃないです。オレの目当てはこれ」
表紙イラストの片隅を指差したので、ボクはそこに書かれている文字を読み上げることにした。
「ブラック・ジャック?」
「ええ、手塚治虫さんの作品です。おもしろいですよ、風刺も利いていたりして」
そこまで言うと、北千葉線は雑誌を自分に向け直して続きを読み始めた。まだブラック・ジャックを読み切っていないようだ。ずっと立ち話なのもなんなので、ボクは自席に座る。
「ブラック・ジャックってどんなお話なの?」
「ブラック・ジャックと呼ばれるモグリの医者が主人公です。並外れた手術の腕前を持っていて、難しい手術もこなします。ただし手術代は法外な値段に設定するのがほどんどで、世界中に患者がいるので舞台は日本だけじゃありません」
北千葉線がボクの方を全く見ずに答える。雑誌から目を離すつもりはないらしい。
「へぇ、医療マンガなんだね」
「医療マンガと言えばそうなんですが、おそらくヒューマンドラマという方が正しいかもしれません。勉強になります」
そう言い切ると、北千葉線は開いていた雑誌を閉じ机の上に置いた。さらにその上に灰皿を置いて、いつの間にかくわえたタバコに火をつける。
「さぁ北総線。研修、始めましょうか」


「ん?忘れものかな?」
終着駅である印旛日本医大駅に着いたので車内点検をしていると、網棚にコミックが置いてあることに気がついた。サッと手に取ると、それは最近コンビニでよく売っている廉価版の単行本だった。その表紙に描かれていた文字を見て、ボクは思わず笑ってしまった。
「はは、そういえば読んだことなかったかもしれない。北千葉線のオススメだし、ちょっと読ませてもらおうかな」
廉価版の単行本を右手に持って、ボクはホームを後にした。
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